【バイク】錆の進行を止める方法とは?時代は錆転換でしょ!

錆を味方に! ノリンです。
年式の古いバイクを買ったりすると、すでに錆が進行していることもあります。
錆取り剤に漬けたりすれば一時的に取ることも可能ですが、潤滑剤やワックスでコーティングした程度では、またすぐに錆が出てしまいます。
塗装しても目には見えないだけで内側で錆が進行し、そのうちボコボコになるなど、サビは思っている以上に厄介ではないでしょうか。
最悪、放置し続ければ穴が開くことだってあります。
そうならないためにも「錆転換剤」を使って錆の進行を止めてあげましょう!
乾けば上から塗装も出来ますので、塗装前の処理としても有効です。
前回、錆取りを行い水分に強そうなグリースでコーティングもしていたのですが、2週間程度で錆が浮き始めてしまいました。
1~2か月でこの通りです。

初期の状態と比べるとまだマシではあります。

そのままにして置くとサビサビになるのは時間の問題ですので、今回はあえて錆を残したまま「錆 転換剤」を使ってコーティングを行いたいと思います。
ちなみに、今回使用した錆転換剤は「さびチェンジ」という、どストレートな商品名です。

こちらの「さびチェンジ」は、日本ペイント製の製品です。日本ペイントは塗料業界で「ニッペ」として広く知られる大手メーカーですので、その品質はお墨付きです!
筆者が以前いた整備工場でもニッペを使っておりました。聞いた話によると塗装業界ではニッペ派とカンペ(関西ペイント)派に分かれており、日々論争が行われているそうな・・・(笑)
スプレータイプ
タッチアップペイントなどを出している「ホルツ」の錆転換剤です。スプレータイプなので広範囲に使いやすそうですね。
錆 転換剤を使うとどうなるの?

こんな感じに黒くなります。
これはいわゆる「黒サビ」に変化させているとのことですが、エイジング加工のようで筆者的には非常に好みです!
錆転換剤(さびてんかんざい)は、金属の錆(酸化鉄)を化学的に安定化させて、腐食の進行を止めるための処理剤です。錆転換剤を使用することで、錆を完全に除去せずに、錆を安定した層に変えることができます。これにより、錆の上に塗装やコーティングを施して金属の保護を強化することができます。
つまり「錆を発生させないようにする」というよりは「錆の進行を食い止める」という用途に使います。とはいえ、塗ればコーティングにもなるので、「錆を発生させないようにする」というのも間違いではないかもしれません。
仕組み
錆転換剤には、主に次のような成分が含まれています。
- タンニン酸: 錆の酸化鉄と反応して不溶性の鉄タンニン酸塩を形成し、錆を安定化させます。
- 有機酸: 錆の酸化鉄を化学変化させて安定化します。
- 樹脂やポリマー: 変換後に保護膜を形成し、錆の再発を防ぎます。
特徴
- 錆の上に直接塗れる: 完全に錆を削り取らずに、その上から直接塗布することが可能です。
- 表面を強化: 錆を安定化させた後の表面は硬くなるため、その上から塗装や防錆剤を塗りやすくなります。
- 錆の進行を遅らせる: 金属の腐食を一時的に止め、錆の広がりを抑制します。
使用方法

- 表面準備: 大きな錆や緩んだ錆は、ブラシやサンドペーパーでできる限り取り除きます
- 錆転換剤を塗布: 錆が残っている部分に錆転換剤を塗布し、化学反応が起こるのを待ちます
- 乾燥: 錆が黒く変色してくるので乾燥させます
- 仕上げ: 乾燥後は塗装や防錆処理を施してもOK
具体的な錆転換剤の使用方法を解説
今回筆者はネジ類の加工を行いましたので、その方法を解説します。

錆転換したい部品(今回は錆びたネジ類)を外していきます。

パーツクリーナーを使い汚れを除去し、乾燥させます。
ワックスや潤滑剤などの油分があると、転換剤を弾いてしまい反応しない部分ができてしまうので良く洗浄しましょう

細かい部品でしたので、袋に入れました。

「さびチェンジ」を適量流し入れます。
通常は刷毛などを使い塗ります。

ムラがあるのは嫌なので、丁寧にもみ込みました。
なお、この袋は丈夫で有名な「アイラップ」を使用しました。
油ものを保管する際に重宝しています。

袋から取り出し、重ならないように並べなおして乾燥させます。
完全乾燥は「1日」ですが、2時間程度(夏)でも問題なさそうでした。ただし、塗装などを行う場合は「1日」待った方が良さそうです。

元に戻して「完成」です。

完成です。

なお、汚れるとなかなか取れないので、ゴム手袋をしておきましょう!(笑)
まとめ
錆転換剤は、錆を完全に除去するのではなく、錆を処理して腐食を防ぐという意味で、錆の発生が避けられない環境にある金属製品のメンテナンスに非常に役立ちます。
今回はバイクに使いまいたが、自転車や家のフェンスなど錆が発生するものであれば、何にでも使えます。
またDIYが好きな方であれば、ワザと錆させてビンテージ感を出す、エイジング加工などにも使うことも可能です。
今回はネジでしたので新品を購入することも可能でしたが、筆者のようにあえてエイジング加工にして楽しんでみてはいかがでしょうか。
では、また!