【GT380・GT550】メンテナンスデータ集!管理はこれでOK【永久保存版】

バイクが熱い!ノリンです!(*‘ω‘ *)
2025年の始まり、1月某日…
友人がなんと!「スズキ GT380(B3)」を手に入れました~!(; ・`д・´)
しかも、「型式:NGT」というイタリアからお帰りになったGT380君です!
※NGTの詳細は「【GT380】エンジン仕様」にて記載
で、なんで急にGT380?って思うでしょ?
実は1月のツーリングに「GSX400インパルス」で参加していたのですが、まわりが70~80年代のバイクだらけだったんですよ…!
その雰囲気にすっかりやられたらしく、2月にはもうGT380納車完了してたっていう…バイク好きあるある?(笑)
「GT380」は古い車両なので納車後の整備は必須ですが、この友人はバリバリの整備士さんなので、技術的にはまったく問題ナシなのです!
だだし、技術を持った整備士といえども、メーカー指定の「締付トルク」や構造の確認にはサービスマニュアルは絶対に欲しい情報なのです。
しかーし!
GT380って、初期型が60年代後半のバイクなんですよ…。
そうなると当然、サービスマニュアルも絶版&超絶レアアイテム化してるわけです(´;ω;`)
と、あれこれ漁っていたところ!なんと!
奇跡的に「GT380 サービスマニュアル」発掘成功!!
これはもう…永久保存版といってもいいレベル!(`・ω・´)b
…まあ、ぶっちゃけ需要はかな~り薄い情報だと思いますけど(笑)
せっかくなので、この貴重な資料は友人にプレゼントしようと思いまーす♪
ちなみに、サービスマニュアルと同じくらい大切なのが「トルクレンチ」です。
話は少し脱線しますが、昔「NS-1」をボアアップした時の話。
ヘッドボルトを「手ルクレンチ」で締めていました!(笑)
- 友達「こんくらいかなぁ?」
- 筆者「どれ、貸してみ!」←手ルクレンチ発動
- 筆者「こんくらいじゃね!?」←トルクレンチではないので、正解は不明!
- 筆者「よし!」←何が「よし!」なのか…(;・∀・)
高校生の頃なんて「トルクレンチ」なんて言葉すら知らなかったですからね!
最近では、カブのボアアップ時に手ルクレンチで締めたところ、後々余計な不安を抱くことに…(;´Д`)
やっぱり整備には「トルクレンチ」が必須だなと痛感したため、速攻で購入しボルトを締め直しました!
皆さんもバイクを触るなら、サービスマニュアルとトルクレンチは必須アイテムですよ!(`・ω・´)b
おすすめのトルクレンチと使い方を見る
おすすめのトルクレンチ
下記は筆者も使っているAmazonべーシックの商品ですが、DIYには十分な性能だと思います。
エンジン整備向けのトルクレンチ
フレーム向けのトルクレンチ(車のホイールにも使えます!)
ボックスレンチ取付部、変換アダプター(ボックスを使い回し出来るので便利です!)
デジタル表記で分かりやす方が良い方向け
エンジン整備向けのトルクレンチ SK11(エスケー11) 1.5~30 N・m【人気】
フレーム向けのトルクレンチ SK11(エスケー11) 6.8~135N・m【人気】
トルクレンチの使い方

トルクレンチを使用する際は正確なトルクを設定することが重要ですので、各部品ごとの適切なトルク値(下記トルク表)を確認しましょう。
トルクレンチの設定
※上記画像の設定トルクは2.5 N・mとなります。
使うメーカーのトルクレンチによっても多少方法が異なりますが、大まかな順番は下記の通りです。
- 下記表や各バイクのパーツリストで目的のネジのトルクを確認
- トルクレンチのノブを回し目的のトルクにセット
- 適切な大きさのボックスレンチを付ける
- 「カチッ!」や「カコンッ!」となるまで回したら完了
1つの部品が数本のネジで止まっている場合は、1回で締め付けを完了させることは避けましょう。その場合の方法は部品中央付近のネジからスタートして、対角線上に少しずつ占めていき2~3週目で締め付けを完了するぐらいが良いです。
1回目から締め付けてしまうと、目には見えない歪みが部品に発生する場合があります。
【GT380・GT550】エンジン仕様

項目 | GT380 | GT550 |
---|---|---|
型式 | 2サイクル空冷3気筒 | – |
弁機構 | ピストンリードバルブ | – |
排気量 | 371㏄(※NGT:384㏄) | 543㏄ |
ボア×ストローク | 54×54㎜ (NGT:55×54㎜) | 61×62㎜ |
圧縮比 | 7.2 | 6.7 |
最高出力 | 38ps/7,500rpm (NGT:41ps/7,500rpm) | 50ps/6,500rpm |
最大トルク | 3.8kg-m/6,500rpm (NGT:3.98kg-m/6,000rpm) | 5.5kg-m/6,000rpm |
始動方式 | キック | セル/キック |
点火方式 | バッテリー点火 | – |
エアクリーナー | 湿式ポリウレタン | – |
スパークプラグ | B7ES(NGK) | – |
「NGT380」とは、イタリア仕様のGT380です。
最初からボアが1mm大きくシリンダーの刻印も384cc表記になってます(国内は371cc)。
国内仕様に1mmオーバーサイズピストンを入れた車両は、排気量的には「NGT」と同じになりますね!
ただし、オーバーサイズピストンは最大+2mmまでしか販売されていないので、
・371cc(STD)→ 0.5mm刻みで4回OK
・384cc(NGT)→ 0.5mm刻みで2回まで
と、ボーリングの余裕に差が出ることは知っておきましょう!
それにしても、「出力・トルク」共に、「38」ってどんだけ洒落が利いてるんでしょうか!?
GT550までもトルクに「55」を入れてくるとは…「これってタマタマ??」と思っちゃいますよね。
あっ、別にタマタマは「き〇たまテール」に掛けているわけではありませんよ!(笑)
まあ、GT系は確かに「男くさいバイク」ではありますけどね。
き〇たまテールが分からない方へ
GT系に付いているテールランプのことで、〇が2つ連なった形状をしていることから、全国的に「きんたまテール」と呼ばれるようになった。
なお筆者は「最初に考えたやつ誰だよ!天才か!? ネットも無い時代にバズリすぎだろ!!!ww」と思っている。
また、男という生き物がいかにアホなのかが分かるエピソードではないだろうか。
ちなみにGT380では「型式:B1~B6」までが「きんたまテール」で、最終型の「B7」ではGS400と同じテールに変更されているので、「きんたまテール」をご所望の方は注意されたし。
もう一つ、言わせてもらうとメーカーの垣根を越えて「ホンダ Tバブ(CB250/400T)」に付けるカスタムも人気です。
【GT380・GT550】スパークプラグ
項目 | くすぶる時 | 標準 | 焼ける時 |
---|---|---|---|
NGK | B6ES | B7ES | B8ES |
ND | W20ES | W22ES | W24ES |
【GT380・GT550】純正キャブレターセッテング

項目 | GT380-B1・B2 (バラキャブ) | GT380-B3~B7 (連結キャブ) | GT550 (連結キャブ) |
---|---|---|---|
タイプ | VM24SC | VM24 | VM28 |
メインジェット | #80 | #80 | #97.5(2番のみ95) |
ジェットニードル | 4DH7−2 | – | – |
ニードルジェット | Oー4 | Oー2 | Pー0 |
カットアウェイ | #3.0 | #3.0 | #2.5 |
パイロットジェット | #22.5 | #25 | #25 |
パイロットアウトレット | 0.8 | 不明 | 不明 |
エアスクリュー | 1 1/4戻し | 1 1/4戻し | 1 1/2戻し |
ニードルバルブシート | 2.0 | 不明 | 不明 |
フロート高さ | 24.25mm(±1) | 25.75mm(±1) | 25.75mm(±1) |
アイドリング回転数 | 1100r.p.m | 1100r.p.m | 1000r.p.m |
GT550の2番(真ん中のシリンダー)だけMJが薄くなっているのには驚きました。
空冷の4気筒などは、2番、3番に熱が籠りやすいことから、燃料を多く噴射し熱を下げる意味でMJが1つ上の番手になっていること(例:ゼファー400)がありますが、3気筒で2番を下げるとは…
よほど「ラムエアーシステム」が冷えるということなのでしょうか!?
ちなみに水冷4気筒などの場合は2番・3番のMJを下げる場合も有りますよ!(例:GSX400インパルス)
GT380 前期用(バラキャブ)
GT380 後期用(3連キャブ)
GT550 初期型用
GT550 B4・B5用
【GT380・GT550】オイル類
項目 | GT380-B1・B2 | GT380-B3~B7 | GT550 |
---|---|---|---|
ミッションオイル量 | 1400㏄ | 1500㏄ | 左同 |
E/Gオイルタンク容量 | 1300㏄ | 左同 | 左同 |
フロントフォークオイル | 210㏄(片側) | 左同 | 左同 |
フォークオイル種類 | ATF (オートマチックミッションオイル) | 左同 | 左同 |
ヤマハ オートルーブスーパーFD
2サイクル乗りに人気のヤマハ純正オイルです。
どこにでも売っていて、値段もリーズナブルなので、旧車乗りには人気があります。
他メーカーの同ランクが「FCグレード」の中で唯一「FDグレード」と品質が1つ上なのが人気の理由です。
ただし、グレードが上だからと言って「潤滑がより良い」という意味ではない点には注意が必要です。
2サイクルオイルのグレードについて
グレードによって以下のような特徴があります。
・FB:一定以上の潤滑性能を持つグレード。現在の基本的な基準レベルです。
・FC:FBの性能に加え、「排気煙が少なく見えにくい」特長を持っています。
・FD:FCの性能にさらにプラスして、「カーボンの発生が抑えられる」特長も備えています。
つまり、オイルグレードは「潤滑性能」のことではないのです。
スズキ CCIS JASO FC
純正にこだわりたい方はこちら、純正ですから「潤滑」も問題ないともいますよ!
GT380に積んで置くのにも、この缶の方がデザインにレトロ感があって良いですよね!
【GT380・GT550】タイヤサイズ

フロント側
純正サイズではありませんが、旧車には「TT100」ですよね!
サイズ | 差異(対3.60H19) |
3.00-19→3.60H19 | 約 +14.8mm |
3.25-19→3.60H19 | 約 +8.4mm |
チューブレスタイヤ(TL)でも、中にチューブを入れてあげることで、スポークホイールにも使えますよ!
リア側
【GT380・GT550】締め付けトルク(重要箇所のみ)
ブレーキ
部品名 | 個数 | トルク(N・m) | トルク(kg・m) |
---|---|---|---|
フロントブレーキカムレバーナット | 2個 | 4~7 | 0.4~0.7 |
リヤーブレーキカムレバーナット | 1個 | 4~7 | 0.4~0.7 |
ハンドル

部品名 | 個数 | トルク(N・m) | トルク(kg・m) |
---|---|---|---|
ステアリングステムヘッドボルト(左右) | 2個 | 18~29 | 1.8~3.0 |
ステアリングステムヘッドボルト(後) | 1個 | 9~14 | 0.9~1.4 |
ステアリングステムボルト(左右)★ | 2個 | 20~29 | 2.0~3.0 |
ハンドルクランプボルト | 4個 | 9~20 | 0.9~2.0 |
足回り
部品名 | 個数 | トルク(N・m) | トルク(kg・m) |
---|---|---|---|
フロントアクスルナット | 1個 | 49~78 | 5.0~8.0 |
フロントアクスルストッパーナット | 4個 | 13~23 | 1.3~2.3 |
フロントトルクリンク(上下) | 2個 | 18~27 | 1.8~2.8 |
リヤーアクスルナット | 1個 | 53~78 | 5.4~8.0 |
リヤーショックアブソーバーナット(上下) | 4個 | 18~27 | 1.8~2.8 |
スイングアームピボットナット | 1個 | 49~74 | 5.0~7.5 |
リヤートルクリンクナット(前後) | 2個 | 18~27 | 1.8~2.8 |
エンジン
部品名 | 個数 | トルク(N・m) | トルク(kg・m) |
---|---|---|---|
エンジンマウンティングボルト・ナット | 3個 | 29~39 | 3.0~4.0 |
エンジンマウンティングブレートボルト | 2個 | 13~23 | 1.3~2.3 |
その他
部品名 | 個数 | トルク(N・m) | トルク(kg・m) |
---|---|---|---|
フロントステップボルト | 2個 | 29~44 | 3.0~4.5 |
まとめ
というわけでっ!
今回は【GT380・GT550】の整備に関するアレコレをお届けしましたっ♪
また、必要な情報が出てきたら追記していこうと思います。
「古いバイクだから…」って尻込みしがちだけど、ちゃんと整備してあげればまだまだ元気に走れる子たちですっ!
お店にばかり出さずに、たまには自分で整備に挑戦してみてくださいね。
自分で整備してると、もしツーリング中に「なんか調子おかしいかも?」ってなったときも、故障の当たりを付けたり、冷静に対処できるようになりますよ~っ!(`・ω・´)b
ツーリングに行くの楽しみだなぁ~♪
では、また。