カブ ブレーキシュー交換方法を徹底解説

心のブレーキを開放しましょう!ノリンです。
ドラムブレーキの利きを良くする方法は前記事で書いていましたが、シューの交換方法を載せていませんでしたので、DIYする方は是非参考にしてください。
早速ですが、まいりましょう。
バイクのブレーキシューを交換する手順
説明は筆者の乗っているカブですが、ドラムブレーキの車両であればどのメーカーでもほぼ同じ手順になるかと思います。
大まかな流れは下記の通りです。
- 車体を浮かす
- ブレーキワイヤーを緩める、または外す
- ホイールを外す
- シューを交換する
- 組上げる
- ブレーキの調整
と、こんな流れです。
車体の浮かし方
もっとも簡単で、かつ安全な方法はバイク専用ジャッキやレーシングスタンドを使う方法です。
サイドスタンドしかない車両のフロントを浮かした状態にすることが最も難しいのですが、専用ジャッキやレーシングスタンドがあれば何の問題もありません。
スタンドやジャッキは高い道具と思っていたのですが、思いのほか安く買えることに驚いたのを覚えています。
一度購入してしまえば長く使える道具でもありますので、この機会に入手しておきましょう!
Amazonなどのレビューを見ても「最初から買っておけばよかった」という声が多い商品です。
こちらのスタンドは汎用性が高く、フレーム形状に関係なく大体のバイクに使えます。レーシングスタンドと呼ばれるもので、サイドスタンドのないレース車両に良く使われていますね。意外と重いフロントをステムの穴(三又の下あたり)に差し込んで持ち上げられるのは下のジャッキ型よりもバランス的に安全です。
このジャッキはアンダーフレームがあるバイクに最適なジャッキです。アタッチメントの長さを変えることで、マフラーを避けることが可能です。アタッチメントを外すことでエンジンを下すときなどにも使うことができます。
一応、ジャッキなしで頑張る方法を「センタースタンドの場合」と「サイドスタンド場合」で書いておきますね。
センタースタンドでホイールを外す場合
リア
センタースタンドの場合ですが、まずリアは何もしなくても浮いていますのでそのままで問題ありません。
フロント
フロントはホイールを外すと車体が前下がりになります。
そのため、油圧ジャッキやブロックなどを積んで高さを出し、そこにフロントフォークを載せてあげればOKです。
フォークが傷がつかないように布を敷いておきましょう。
以前、前下がりのまま布だけ敷いて作業したことがあるのですが、何かの拍子で車体が前に滑りセンタースタンドが外れた経験がありますので大変危険です。
その時は、友達もいたので参事には至りませんでしたが、一人だったら倒れるのを見ているしかなかったでしょう。
センタースタンドは車体を前に押して外しますので、考えれば分かることですが、苦い経験です。
もう一つの方法
リアキャリアやリアボックスを付けている車両のみ可能な方法ですが、
- リアキャリア:おもりとキャリアをロープで引っ張るようにしてフロントを浮かせる方法
- リアボックス:おもりを中に入れてフロントを浮かせる方法
おもりは工具箱などでも代用できると思います。
サイドスタンドでホイールを外す場合
リア
車用の油圧ジャッキまたは、パンタジャッキを使って、スイングアームの根本辺りを持ち上げます。するとリアタイヤが浮いてきますので、そのまま作業します。
この時サイドスタンドは地面についたままにしておきましょう。つまり、タイヤが斜めの状態になります。
必ず3点で支えないと、バランスを崩します。
タイヤを浮かせるときは、タイヤと地面がギリギリの状態に留めておきましょう。上げすぎは車体がバランスを崩す危険があります。
フロント
まず、こればかりは専用道具を使うことをおすすめします。
ホイールを外してフロントフォークをジャッキなどに乗せるところまで出来てしまえば、問題はないのですが、過程が非常に難しいのでおすすめできません。
と言いながらも、筆者はこの方法で交換していたんですが・・・
2人以上で作業するのなら「ちょっと持ってて」と言って、ホイールを外しちゃうなんて方法も・・・(笑)
ブレーキワイヤーを緩める、または外す

赤丸のワイヤーがブレーキワイヤーですが、先端のアジャストナットを外すことで、ワイヤーを抜くことができます。
ブレーキワイヤーの上にあるのがメーターワイヤーですが、必要があれば外しておきましょう。カブの場合は外さなくても交換できたと思います。
ホイールを外す

ホイールは赤丸のナットを外し、アクスルシャフト(ボルト)を抜くと外れます。カラーが入っているので、向きを覚えておきましょう。
シューを交換する
外し方

シューの①もしくは②をバネが伸びる方向に引っ張りながら、手前にずらすと外れます。硬い場合は、隙間にマイナスドライバーを入れてテコを使て外します。
①もしくは②が外れたら、外れた方の上側も同じ要領で外してあげることで、全体が外せます。
指を挟まないように注意しながら作業してください。
清掃・グリスアップ
清掃は可動部の古いグリスやブレーキダストをパーツクリーナとウェスを使ってきれいにします。

グリスは熱に強い特性を持つ、シリコングリースかモリブデングリースを使います。
この場所には、良くある黄色い色をしたグリスは絶対に使わないでください。ブレーキの熱で溶けだし最悪ブレーキが利かなくな可能性があるので、大変危険です。

画像の「ブレーキアーム可動部」はブレーキアームを外すと、抜くことができるので、同じようにグリースアップしておきましょう。
画像の「ブレーキアーム可動部」ですが長期間の放置をすると、錆びて固着してしまうことがあります。ブレーキレバーが握れないなどの症状はこの可動部の固着が原因のことが多いです。

反対側も”ぬりぬり”

グリースアップが完了したら、逆の手順でホイールの取り付けまで行います。
ホイールの取り付けの際は、カラーの向きに注意してください。錆びている側がホイール側になると、ダストシールが傷ついて水が浸入しやすくなったりします。
ブレーキの調整

調整はタイヤを浮かした状態でワイヤー先端のアジャストナットを回して行います。ナットは手回しで調整できます。
調整手順は下記の通りです。
- 手回しでナットが動かなくなるまで閉める
- ブレーキレバーを握り、硬くなっていることを確認
- タイヤが回るところまで、ナットを緩めていく
- 調整加減はタイヤを回したときにリズム良く「シュッ シュッ」と一か所だけ軽く擦れているような所で止めてあげます。
- 最後にタイヤを手で回しブレーキレバーを握って止まることを確認して完了です。
以上がブレーキシューの交換方法となります。
リアドラムもブレーキシューの交換方法は変わりませんので、同じように作業できるはずです。
画像にある、水色のブレーキシューは止まる!と話題の「デイトナ プロブレーキシュー」です。
ホイールダンパーも同時に交換しよう

リヤホイールにはホールダンパー(ハブダンパー)という部品が使われております。
ホイールダンパーはチェーンからホイールに伝わるショックを和らげてくれているのですが、この部品が劣化したり消耗したりするとチェーンが伸びた時と同じような症状が現れます。

リヤホイールを外す機会もそうそうないかと思いますので、今まで交換していなかった方や、中古車を購入した方は交換しておくことをおすすめいたします。
まとめ
ブレーキシューの交換方法をご紹介しました。
言わずもがな、ブレーキはとても大切な部品です。DIYが不安であれば整備工場に持ち込むのも一つの手ではあります。というかそれが通常ですよね。
ですが、せっかくバイクが好きで乗っているのですから、自分で整備することでさらに愛着が出るとともに、工賃がかからないといったメリットもあります。
外すボルト数も比較的に少ない整備ですので、整備の難易度も比較的に簡単な部類に入ると思いますので、ぜひ挑戦してみましょう。