バイクをバフ掛けで鏡面に 楽で速い方法はこれだ!
根気があれば何でもできる!ノリンです。
今回は、バフ掛けのお話
ツーリング先やイベントなどで、エンジンやホイールがピカピカ、いや、ビッカビッカに輝いているバイクに出会うことがありますよね。
もちろん、メッキ加工をしたバイクもキラキラしていてキレイですが、「バフ掛け」をした金属には、重厚感があるというのでしょうか。鉄が持つ独特の輝きがあり、それがとてもカッコイイのです。
しかし、業者を使わずにその輝きを出すためには基本的に下記のような工程を踏んで近づけていくしかありません。
- 耐水ヤスリの180番程度~1500番程度を順に使って地道に研磨
- その後、コンパウンドの粗目~細目を使って研磨
この作業はとてつもなく大変で時間も掛かり、一度始めたら後戻りもできません。
まあ、唯一の逃げ道は塗装でしょうか・・・
そこで今回は、グラインダーのみでどこまでビッカビッカにできるのか挑戦してみました。
まずは結果からみていきましょう。
バフ掛けの結果
いかがでしょうか。
スマホがハッキリと分かるくらいの鏡面具合にはなっていると思います。空が「曇天」なのも分かりますね。
ここまで、グラインダーのみです。
ですが良く見ると、空と屋根の境目のラインが歪んで見えてますので、正真正銘の「鏡面」とまでは言えないかもしれません。
また、所々にある凹凸は度合いにもよりますが、ヤスリを使わないと取ることは難しいと思います。
鋳造(鉄を溶かし、型に流して作る物)はヤスリ掛けを行ったとしても、場合によっては、製造段階で中に「す」が入っており、削ったことによって露出してしまうこともあるので、ある程度の所で辞める勇気も必要です。
ここまでの作業は3時間程度でした。
「作業の慣れ」によって大分時間は変わると思いますが、手ヤスリで頑張っても3時間でここまでの鏡面を目指すのはなかなか難しいのではないでしょうか。
もっとキレイにできるかもしれませんが、今回はここら辺で止めておきます。
この作業はいつまででも、できてしまうので・・・
研磨剤の粗さによる鏡面具合の比較
さて、画像はそれぞれ粗さの違う研磨剤を使って磨いたものです。
どれが、仕上げ用(鏡面)の研磨剤で磨いたか分かりますか?
正解は④が仕上げ用の研磨剤です。数字の通り①→②→③→④の順番で仕上げ(鏡面)に近づいていきます。
ちなみに皆さんなら、どの荒さでストップしたいですか?
・・・と質問をすると「どうゆうこと?鏡面がゴールじゃないの?」と思うかもしれませんね。
実は、バフ掛けってどこで止めてもいいのです。
もちろん「鏡面が好きだから鏡面にしよう!」と思うなら仕上げ用の「細め」で終了させればいい話なのですが、中には「鏡面までは・・・」と言う人もいるのではないでしょうか?
そう言った場合は、荒目②や中目③辺りで止めるのも全然ありだと思います。
結局のところ、自己満足の世界なので好きなようにやってみましょう!
ちなみに、鏡面以外の仕上げ方も在りますので1例をご紹介したいと思います。
鏡面以外の仕上げ方
木に「木目」があるように、金属にも「金属目」があります。
ステンレス板やアルミの板を見ると付いている画像のような線がそれです。
通常、金属目は製造工程で着く(もしくは故意に付ける)線傷のようなものなので、髪の毛のように見えることから「ヘアライン仕上げ」なんて呼ばれたりもします。
今回バフ掛けに使うグラインダーでもヘアラインを付けることが可能です。
方法はグラインダーをピザ切りナイフのように持ち、力を入れずにスーと手前に引くように縦に動かすことで、縦線のような傷をつければ「ヘアライン仕上げ」の完成となります。
これを部品全体に、同じ方向に、隙間なく繰り返すことで、きれいな仕上がりにすることが可能です。
ヘアライン仕上げは、一度鏡面にしてから粗目の研磨剤に戻し仕上げた方がキレイな仕上がりになります。また、なるべくなら接地面が広いフェルトバフを使うことで、力が均等に入るためキレイなヘアラインを付けることができます。
バフ掛けのやり方・コツ
応用編(金属目を付ける方法)を先に書いてしまいましたが、ここでは基本的なバフ掛けの方法を解説していきます。
バフ掛けの注意点
回転工具を使った作業には危険が伴います。その中でも、今回使用している「グラインダー」は回転速度も速いので、研磨剤が飛び散るなどして、ゴミが目に入ることもあります。
折角の楽しい作業が一転して、後悔に変わってしまいますので、作業する前に準備しておきましょう。
筆者は何度も後悔しております・・・笑
- 保護メガネを付けること
- グローブを付けること(布NG、革製がおすすめ)
- 汚れてもいい服装をすること(ツナギがおすすめ)
- 汚れてもいい場所で行うこと
研磨剤を使う時の順番
順番は下記の通りです。
- 赤棒(粗目)
- 白棒(中目)
- 青棒(細目)※仕上げ
実は「研磨剤の粗さによる鏡面具合の比較」の画像にある枠の色(② ③ ④)は、使った研磨剤の色を表しています。
グラインダーで各研磨剤を使い分ける時は、一つの研磨剤に付き一つのフェルトディスクを用意して、赤棒用、青棒用などと記載しておきましょう。粗目で使ったフェルトを細目に再利用しても意味がないですからねぇ~
基本的には赤棒→白棒→青棒の順番で粗目→細目になりますが、研磨剤のメーカーによっては色の違いや同じ赤棒でも粗さ(番手)の違いがあるようなので、購入する際は良く表示・説明を読みましょう。
バフ掛けの手順
研磨中は素材がやけどするほど熱くなります。素手での作業は行わないようにしましょう。
初めに塗装や汚れを除去します。
今回はカップブラシで行いました。
カップブラシで磨いた際の比較です。
意外と光ってませんか?
細かい場所はリューター用のブラシを使い磨きます。
カップブラシで全体を満遍なく磨き、下地を作ります。
この状態でキャンデイ塗装のようにしても面白いかも!?
まずは赤棒からスタートです。
研磨剤はフェルトにたっぷりと付けましょう。磨いていると研磨剤が無くなるので、小まめに付けるのがコツです。
手ヤスリをしない分、赤棒(粗目)の段階で出来るだけ長い時間使って、何度も磨きましょう。素地の凹凸を出来るだけ消すことで、仕上がりがキレイになります。
1カ所だけ当て続けると凹むので注意!
できるだけ均一な圧力になるようにイメージしながら磨きましょう。
研磨剤の番手を変える時は、必ず、フェルトも変えましょう。
2番目に白棒を使い磨きます。
白棒で満足する方もいるかもしれません。そのくらい鏡面に近くなります。
画像は細かい凹凸が残っていますね。消したい場合は赤棒からやり直す必要があります。
凹みが大きい場合など、時にはヤスリを使った方が早い場合があります。
最後に青棒で全体を磨いたら、前述した「ヘアライン仕上げ」のように一定方向に磨いてあげれば完成です。さらに磨き込みたい方はここから、ピカール又は液体コンパウンドなどで仕上げるとさらに光ります。
比較をすると、一目瞭然にビッカビッカになっています。
バフ掛けで準備する道具
今回は「楽に!簡単に!」をテーマにしております。
なので、研磨剤とグラインダーに付けて使う装備品のみを使って作業を行いました。
ここで紹介する道具は、今回行うバフ掛けの方法では必須の道具となりますので、お持ちでなければ揃えておきましょう。
今回カップブラシは「塗装はがし」として使いましたが「頑固な汚れの除去」や「錆落とし」に使えるので1つ持っておくと便利です。
研磨剤の「粗さ」毎にフェルトを変える必要があることや、意外と減りも速いので、間違いなくセット購入の方が良いです。
筆者も同じグラインダーを使っていますが、回転数調整が可能なので、慣れるまではゆっくり回し、慣れたら早く、など初心者にもおすすめです。
ヘアライン仕上げの場合、回転数や押し付ける圧力によっても雰囲気が変わります。
手ヤスリで1500番程度まで頑張った方なら「青棒」のみでも良いかもしれませんが、グラインダーだけでとなると粗目の「赤棒」からスタートした方が傷が消せるので、これもセット購入をおすすめします。
グラインダーにリュータービットを装着できるようになります。リューター本体を買うよりは安く済みますのでおすすめです。
リューター用の真鍮ブラシです。紹介したドリルチャックに装着して使います。
電動ドリル(インパクトドライバー)Ver.(初心者向け)
電動ドリルはグラインダーに比べて
- 回転数が低いこと
- ON/OFFがトリガー式で指を外せば止まること(グラインダーはスイッチ式)
などから比較的、安全に作業することが可能で初心者でも扱いやすい工具になるかと思います。
また汎用性という面でも、グラインダーより様々な用途に使えますので、何も回転工具を持っていない状態であれば電動ドリルを購入した方が今後も使えて良いかもしれませんね。
バフ掛けの観点からみると、回転数が低い分、作業が遅くなることがデメリットでしょうか。
このドリルは「有線」ですので、充電切れもありませんし、充電式と比べてパワーも持続します。バフ掛けをメインに考えるのであれば有線の方がおすすめです。また、有線の方が安価に購入できるメリットもあります。
金額は上がりますが、バフ掛け以外(日曜大工など)も考慮するのであれば、充電式を選択する方が良いでしょう。コードが絡まないのは大きなメリットです。筆者も初めて買うなら汎用性も考えて充電式を購入します。
充電式ドライバーは18v・14.4v・10vなどの種類がありますが、ボルト(V)数が高いほうがより強いパワーを持続することができるので、14.4vか18vを選択することをおすすめいたします。
まとめ
バフ掛けはいかがでしたでしょうか?
作業工程は下記の手順を見ても分かる通り難しいことはありません。
- 赤棒であらかた凹凸を取り
- 白棒で赤棒の時に付いた傷を取り
- 青棒で仕上げる
強いて言うなら1番難しいのは妥協点を探すことだと思います。笑
バフ掛けは、やりだすと全部のパーツをやりたくなってしまうほど楽しい作業ですので、ぜひ皆さんも一度は挑戦してみて下さい。
ではまた!