【カブ】ボトムリンクOHとYSS製フロントサス交換方法|効果絶大!
![【カブ】ボトムリンクOHとYSS製フロントサス交換|効果絶大!](https://motobase.turibase.com/wp-content/uploads/2024/04/23.jpg)
カブ90(HA02)のFサスペンション交換とボトムリンクOH(※OH=オーバーホール)
の記録です。
ツーリングで長距離も走りましたが、問題もなくいい感じです!
中古のボロカブを購入し、とりあえず乗れる状態にするべく下記をを行いました。
- シートの破れ補修(張替え)
- チェーン交換
- タイヤ・チューブ交換
- エアクリ交換
- キャブのOH
- ヘッドライトスイッチ修理
- 車体、ホイール等の錆取り
この状態でしばらく乗っていたのですが、信号待ちなどでフロントブレーキを掛けながら「これがボトムリンクかぁ」とカブを堪能している時に違和感に気付きました。
フロントブレーキを掛けると「むにゅ」とする?
初めは「ボトムリンク式」特有の感じなのかと考えましたが、何かがおかしい・・・
そこでカブに跨りフロントタイヤを覗きながら、ブレーキを掛けた状態で前後に揺らしてみると原因が判明しました。
ブレーキを掛けながら、車体を前方へ押すように力を加えた時にフロントタイヤが少し右側に傾く・・・
OHが決定した瞬間でした。
ボトムリンクのオーバーホール
![摩耗したボトムリンクのカラー](https://motobase.turibase.com/wp-content/uploads/2023/10/カラーの摩耗2-edited.png)
摩耗してしまって、カラーの周囲が均一ではありません。
![摩耗したボトムリンクのカラー2](https://motobase.turibase.com/wp-content/uploads/2023/10/カラーの摩耗.png)
ボトムリンクのFサスがボルト止められている部分のカラーです。摩耗しているのが一目瞭然ですね。
ボトムリンク各部品
![ホンダスーパーカブのパーツリスト、フロントクッション、ボトムリンク](http://motobase.turibase.com/wp-content/uploads/2024/03/スクリーンショット-2024-03-21-113046.png)
筆者のカブは「型式:C90DS」となっており、年式は1995年制のカブです。
下記は筆者のカブと同じ年式のパーツリストから、ボトムリンクのOHに必要な主要部品のみ記載しています。
“【適合車種】
・ボトムリンク式のフロントサスを持つスーパーカブ
・おおよそで1988年以降の全車及びリトルカブ全車に適合
・1999年以降のアクスルシャフト径12mmのカブ90/70(いわゆるデカドラム車)にも適合します。
1987年以前のサスペンションアームにグリスニップルが付いているタイプは径が異なる為適合しません。
見出番号 | 部品番号 | 部品名 | 使用個数 |
---|---|---|---|
1 | 51310-041-010 | Rアームのみ | 1個 |
2 | 51311-GK4-971 | ブッシュ,フロントクッションアンダー | 2個 |
3 | 51312-GK4-971 | ブッシュ,フロントアームピボット | 2個 |
4 | 51315-041-000 | Rアーム(2.3.の部品セット) | 1個 |
5 | 51320-041-010 | Lアームのみ | 1個 |
6 | 51325-041-000 | Lアーム(2.3.の部品セット) | 1個 |
7 | 51331-GK4-970 | カラー,フロントアームピボット | 2個 |
8 | 51333-001-000 | キャップ,フロントアームピボットダストシール | 4個 |
9 | 51334-GK4-970 | カラー,フロントクッションデイスタンス | 2個 |
10 | 51336-001-000 | キャップ,フロントアームピボットダストシール | 4個 |
17 | 91311-PH7-004 | Oリング,13.8×2.4(アライ) | 8個 |
ボトムリンク インナーパーツ各種
筆者のカブの場合、アームの損傷は無いため今着いているアームを再利用することにしました。
アームに圧入されているピボットカラーを交換できるスキルがあれば、バラ売りの方が大分安く済みますのでおすすめです。
カラーの交換方法は下記に記載しておきますね。
ボトムリンクのアームを再利用する場合は下記部品を必要個数購入するだけで問題ありません。
↑必要個数:2個
↑必要個数:2個
↑必要個数:2個
↑必要個数:2個
↑必要個数:4個
↑必要個数:4個
↑必要個数:8個
ボトムリンク|アーム左右
ボトムリンクアーム錆取り
![真鍮ブラシでパーツの錆び取り](http://motobase.turibase.com/wp-content/uploads/2023/10/画像6.png)
古いバイクなので錆もありました。
折角外したので、リューターと真鍮ブラシを使ってキレイにしました。
リューターと真鍮ブラシは色々な部品に使えます。例えば、エンジンのフィンの奥まで入れて磨くことが出来たりなど、あるとメチャメチャ便利です。
ガンガン使うので、大量購入がおすすめ!
ピボットカラーの取り付け方法
カラーを入れるときにボルトとワッシャーを使った方法です。
お金もかからず簡単で初心者向けだと思います。この方法で交換できればアーム分の金額を浮かすことが出来るので、挑戦してみましょう!
外し方
ピボットカラーの取り外しは下記道具を使います。
- ボックスレンチのボックス
- ハンマー(プラハンマーがおすすめ)
![ボトムリンクに圧入してあるカラーの外し方](http://motobase.turibase.com/wp-content/uploads/2023/10/画像5-1.png)
ボックス(大)にアームの部分を当ててセットし、その上からボックス(小)をカラー部分のみに当てて、ハンマーで叩くと外れます。
ハンマーで叩くときは少しずつ数回に分けて叩いてください。
注意:指を叩かないでね!
カラーを抜く手順
- アームの外径と同じ大きさで、内径がカラーより大きいボックスを見つける
- アームのカラーよりも外径が小さく、カラーだけに当たる大きさのボックスを見つける
- 1.のボックス(大)の穴側を上に向け、アームのカラーの部分を載せる
- カラーの部分に2.のボックス(小)を当てる
- 「ボックス(大)・アーム・ボックス(小)」になったら、ボックス(大)を下側にして置く
- ボックス(小)をハンマーで叩くと抜けていく
カラーが最後ら辺まで抜けてくると、ボックス(大)の底に当たって最後まで抜けないこともあると思いますが、そこまでくればプライヤーなどで引っ張れば抜けると思います。
付け方
アーム内側とカラーにグリスを塗りながら作業します。
以前、ブレーキ清掃時に使用したシリコングリースが余っていたのでそれを使いました。
シリコングリースは高温でも溶けにくく作られているため、ブレーキ周りにも使える高性能グリスです。
余談ですが、ブレーキ周りに普通のグリスは使わないでくださいね。溶けてブレーキシューに付着したらマジで危険です。
話を戻します。
![ボトムリンクへのカラーの圧入方法](http://motobase.turibase.com/wp-content/uploads/2023/10/画像7.png)
画像のように「ボルト・ワッシャー・平らな板・アーム・カラー・ワッシャー・ナット」の順番で挟んで
ボルトナットを閉めこんでいけばカラーが徐々に入っていく仕組みです。
最後まで入ったらボルトを外して完了です。
※画像のボルトとワッシャーは元々ついているパーツを利用しています。
1.カラー左右の隙間調整は「カラー外し」に使ったボックスとハンマーを使い、ちょっとずつ調整してください。
2.最初カラー入れる時に、カラーが斜めに入らないように注意が必要です。少しでも違和感を感じたらやり直してください。
以上がピボットカラーの交換方法となります。
ボルトとワッシャーでやりたくない方は万力(クランプ)を使ってください。
アームが再利用できるのであれば、カラーの交換を自身で行うだけで8000円近くも安く済みますので、挑戦してみましょう!
サスペンション交換
![スーパーカブに取り付けた東京堂のYSS製フロントサスペンション](http://motobase.turibase.com/wp-content/uploads/2023/10/画像1.png)
1995年製の車体ですのでサスペンションもへたっている可能性もありますし、どうせボトムリンクをOHするならと部品を外すついでに、サスペンションも交換してしまいました。
サスペンションは純正にするか迷いましたが「東京堂のYSS製サスペンション」が気に入りこちらに交換しました。
サスペンション交換後の感想
元々の付いていた純正サスが柔らかいのか、抜けていたのかは分かりませんが、道路の大き目の段差(飛び出たマンホール等)に当たるときに底付きのような衝撃を感じたことがありました。
強化サスに交換してからは底付きを感じることは無くなりましたし「強化」といっても強すぎるわけではないので乗り心地も良くなったと感じています。
ボトムリンクOHも同時に行ったので、乗り心地に関してはOHのおかげもあると思いますが、どちらにせよ交換して良かったです。
勝手な考察ですが、
当時のカブが販売されていた道路状況では未舗装の道も多く速度もそこまで出さないため、柔らかいサスが適していたと考えています。
となると、現代は殆どの道が舗装されているので巡航速度も上がり純正サスの硬さでは能力不足ではないかと考えることも出来ますね。
1万円程度ですので、まだ交換していない方は試す価値ありです。
今回使用した道具・部品
まとめ
中古のボロカブを購入し、乗れる状態にするために様々な作業を行った後、ボトムリンクのOHが必要であることを発見しました。
アームが損傷していない場合は各インナーパーツをバラ売りで購入することでアームをセットで購入するよりもよりもかなり安く済ませることができました。
またサスペンションも交換したことで、乗り心地が向上したと思います。
ボトムリンクのOHは整備初心者にとっては少しハードルが高いのかもしれませんが、DIYすることで愛着も沸きますし、なにより交換工賃がかからないことが何よりのメリットではないでしょうか。
最低限の工具と部品(インナーパーツ)だけ揃えてしまえば、出来る作業でもありますので、是非挑戦してみてください。
ではまた!